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2024.10.21ティー・エス

ももかのお勉強会

ももかのお勉強会ではシリーズで、精神的な症状や障害に対する理解を深め、具体的な対応方法を学んでいます。

今回の勉強会では、リモートも含め20名ほどが学びました。

内容の対象とするのは、意識障害、錯覚や幻覚、妄想、自我と思考の障害、抑うつ・躁状態に関する内容です。

ここでは、それぞれの症状の特徴や、適切な対応について学びを少々ご紹介します。

1. 意識と記憶の障害

まず、意識の障害についてです。意識とは、はっきりと目が覚め、刺激に反応できる状態を指します。意識障害の程度は以下のように分類されます。

  1. もうろう状態:寝起きのようにぼーっとしている状態
  2. せん妄:意識状態が不安定で混乱が見られる
  3. 軽から中等度の意識障害:話が通じず、コミュニケーションが取れない
  4. 昏睡:全く反応しない状態

また、見当識障害では、時間や場所、人がわからなくなることが特徴です。
このような場合、時間や場所の手がかりを用意したり、スケジュールを明示するなどの工夫が有効です。

2. 錯覚と幻覚

錯覚とは、実際に存在するものを誤って感じ取ることを指します。一方、幻覚は存在しないものを知覚してしまう状態です。

例えば、アルコール依存症の人が天井の模様を虫と見間違えることや、統合失調症の人が幻聴を聞くといったケースが挙げられます。

錯覚や幻覚がある場合には、間違いやすい物を片付けたり、鏡や大型テレビに布をかけるなど、環境整備を行うことが大切です。

また、利用者の体験を否定しない対応も必要です。

3. 妄想

妄想とは、間違った考えを強く信じ込み、理屈で説明されても変わらない状態です。妄想には以下の種類があります。

  • 被害妄想:悪意を持たれていると感じる
  • 関係妄想:自分に関係があると思い込む
  • 被毒妄想:毒を盛られていると信じる
  • 注察妄想:見られている、監視されていると感じる
  • 物盗られ妄想:財布や貴重品が盗まれたと信じる
  • 誇大妄想:自分が偉大な存在だと信じる
  • 微小妄想:自分が無価値だと感じる

妄想への対応では、「受容」「共感」「理解しようとする姿勢」が重要です。

「そうだったんですね」「大変でしたね」と相手の気持ちに共感しながら、状況を聞き取ることが大切です。

妄想を無理に否定することは避け、利用者の話をしっかり聞き、少しでも安心してもらえる対応を心がけます。

4. 自我と思考の障害

自我とは、自分が自分であるという感覚です。自我障害では、自分の記憶や考えがうまく結びつかず、現実感が失われたり、

自分の考えが他人に漏れていると感じるなどの症状が現れます。

この状態では、ささいな刺激で混乱しやすく、現実に即した行動が取りにくくなります。

支援者は、利用者の気持ちや考えを否定せず、「そう思ったんですね」と受け入れる姿勢で対応し、落ち着いた態度を示すことが求められます。

5. 抑うつ・躁状態

うつ状態では、気分が落ち込み、楽しめなくなることが特徴です。

この状態の方に対して「頑張れ」と励ますことは逆効果です。

代わりに、「よく頑張りました」「今は休みましょう」と、その人の努力を認め、休息を勧める言葉が有効です。

また、気持ちに共感し、「つらかったですね」「大変でしたね」と相手の感情を受け止めることも重要です。

躁状態では、気分が高揚し、全能感や行動の過多が見られます。

この状態では、相手の言動が次々と変わるため、細かい表現にとらわれすぎず、簡単で具体的な指示を伝えることが有効です。

ポジティブ対応による利用者支援

研修では、利用者の気持ちを尊重し、安心感を与えるためのポジティブ対応についても学びました。

以下の3つのアクションが重要です。

  1. 存在を認めるアクション
    会話のはじめに名前をつけて呼ぶ、場面に応じたあいさつをするなど、利用者の存在をしっかり認識する行動を心がけます。
  2. 安心感を与えるアクション
    笑顔を向けたり、優しいトーンで話したり、適度なボディタッチを行うことで、利用者に安心感を提供します。
  3. 共感を伝えるアクション
    利用者の感情や状況に共感し、否定的な態度をとらないことが大切です。相手の話を受け入れ、「心配しています」と自分の気持ちを伝えることも効果的です。

ポジティブ対応がもたらす変化

今回の研修では、ポジティブな対応が利用者の暮らしに与える影響についても学びました。

たとえば、老人ホームに入居しているAさんは、

ほかの利用者や職員に対して汚い言葉を使い、怒りを示していました。

そのため、周囲の利用者はAさんに近づかず、職員も最低限の関わりしか持とうとしない状況でした。

しかし、ポジティブな対応に取り組んだ結果、Aさんは少しずつ周囲との関係を改善し、孤立することなく、

他の利用者とも交流できるようになったのです。

この事例は、支援者の態度や言葉遣いが、利用者の心の安定と生活の質に大きく影響を与えることを示しています。

 

今回の研修では、精神的な症状や障害についての知識を深めるとともに、適切な対応方法を学びました。

特に、利用者の気持ちに寄り添い、共感を示す姿勢が大切であることが再確認されました。

また、相手の存在を認め、安心感を提供することで、利用者が心地よく過ごせる環境を整えることが重要です。

精神的な症状を抱える利用者に対して、否定や強制ではなく、受容と共感の姿勢で接することが、

安心感を与え、信頼関係を築くための第一歩となります。

今回学んだ内容を、日々のケアに生かし、より良い支援を提供できるよう努めてまいります!。

 

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