2025.12.05ブログ:Yoshiizumiの部屋
信念とは堅苦しいものではない
〜ゆらいでも、曲がっても、まっすぐに生きていける〜
信念は「固めるもの」ではなく「育つもの」
「信念」と聞くと、どこか堅くて動かないもの、
一度決めたら変えてはいけないもの、というイメージを抱きがちです。
ぶれない人、芯のある人、強い人。
そんな印象とともに、「信念がある=立派」という空気が漂っています。
でも本当にそうでしょうか?
私たちは日々変わり続けています。
昨日は正しいと思っていたことが、今日は少し違うと感じることもある。
新しい出会いや経験によって、考えが変わることもある。
それを「信念がない」と言い切ってしまうのは、あまりにも不自由です。
信念とは「固める」ものではなく、「育っていく」もの。
変わっていい、揺らいでいい、悩んでいい。
それでも「これだけは大切にしたい」という気持ちが、自分の中に灯っているなら、それがもう信念なのです。
弱さと共にある信念こそ、温かい
強い信念を語る人が、時に近寄りがたく感じるのはなぜでしょうか。
それは、「正しさ」だけが前に出て、心の揺れや葛藤が見えないからかもしれません。
でも本当に心を動かす言葉や姿勢は、そこに“弱さ”がにじんでいるものです。
迷いながら、悩みながら、それでも自分の言葉で語ろうとする人。
転びながら、折れそうになりながら、それでも立ち上がる人。
そういう姿に、私たちは心を動かされ、そっと背中を押されるのです。
信念とは、無敵な自分をつくることではなく、
「こんな自分でも、大切にしたいことがある」と認めること。
だからこそ、弱さとともにある信念は、温かく、人に届くのです。
信念は、他人の目を気にしていると育たない
人はつい、「どう思われるか」で行動を決めがちです。
SNSでも現実でも、「いい人に見えるか」「間違ってないか」が気になる。
でも、そこに意識が向きすぎると、信念ではなく「評価への最適化」が始まります。
すると、だんだん苦しくなってきます。
「本当は違うと思ってるのに、そう言ってしまう」
「自分の意見があっても、場に合わせてしまう」
そんなふうにズレが蓄積していくと、自分がわからなくなってしまいます。
信念は、他人の評価の中では育ちません。
「どう見られるか」ではなく、「どう在りたいか」を問い直すことが必要です。
人の顔色をうかがわずに生きるのは、簡単ではありません。
でも、自分の中の小さな違和感を大事にしていくことで、少しずつ“自分の道”ができていきます。
信念とは、その道に灯る小さな明かりのようなものです。
信念を声に出さなくても、人には伝わる
信念というと「はっきり表明するもの」「主張するもの」というイメージもありますが、必ずしも声高に語る必要はありません。
むしろ、無言の姿勢や、日々の選択、態度の中にこそにじみ出るものです。
たとえば――
誰かが困っているときに、そっと手を差し伸べる。
誰も見ていないところで、丁寧な仕事を積み重ねる。
派手さはないけれど、ブレずに続けていることがある。
そんな人を見たとき、「この人には、芯があるな」と自然に感じます。
それがまさに、信念の伝わり方です。
語らなくても伝わる信念。
飾らない背中からにじみ出る信念。
それは人の心に静かに届き、信頼へとつながっていくものです。
信念は「やわらかく持つ」もの
信念を持つことは、頑なになることではありません。
どれだけ大切な考えでも、それを他人に押しつけ始めたら、信念ではなく「正義の押し売り」になります。
「私はこう思うけど、あなたの考えもわかるよ」
「これは大切にしているけど、状況次第で変えるかもしれない」
そうやって“やわらかく持つ信念”こそ、人を惹きつけ、対話を生みます。
押しつけず、否定せず、でも自分の軸を静かに持っている。
そんな信念のあり方が、これからの時代にはますます求められていくのではないでしょうか。
まとめ
信念とは、肩に力を入れて固めるものではありません。
迷いながらでも、「自分にとって大事なこと」を静かに見つめ続けること。
それができていれば、すでにあなたの中には、立派な信念があります。
どんなにゆらいでも、にごっても、折れそうになっても、
信念はまた、あなたの中で育っていきます。
大切なのは、自分のペースで、自分の言葉で、信じられる道を歩むことです。
信念とは、そんな日々のなかに静かに息づく、小さな灯のようなものなのです。
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