2025.10.18ブログ:Yoshiizumiの部屋
アドラーシリーズ:「強く見せる努力」をやめて、「強くなる努力」を始めよう
表面の”強さ”がもたらすもの
SNS、職場、家族関係──現代社会において「強く見えること」が、まるで美徳のように語られることがあります。
「私は大丈夫」「こんなの平気」といった態度を貫くことで、他人に弱さを見せまいとする。
しかし、アドラー心理学は明確に指摘します。
「強く見せる努力は止めて、強くなる努力をすべきだ」
見せかけの強さに執着することは、しばしば自己防衛のための仮面に過ぎません。
周囲に強く見せようとするあまり、自分自身の弱さと向き合う機会を失っていないでしょうか。
本当の強さとは何か
アドラーが言う「強さ」とは、筋力や権威、発言力のことではありません。
それは、他者の評価に左右されず、自分の価値を自分で認める内面の安定です。
そして、傷ついたとしても回復する「レジリエンス」こそが本当の強さです。
本当の強さを持つ人は、自分の弱さを否定しません。むしろ、弱さを受け入れ、成長の糧とする力を持っています。
弱さを認めることがスタートライン
強くなろうとする第一歩は、弱さを否定せず、正直に見つめることです。たとえば、
- 仕事で失敗して落ち込んだとき、自分を責めすぎず、「今の自分にできること」を見つける
- 誰かに否定されたとき、「どう感じたか」を素直に受け止め、必要なら距離を置く
このように、弱さを認めた上で、自分にできる小さな前進を積み重ねていく。それが、アドラーが説く強さの育て方です。
他人の評価を軸にしない
「強く見せる努力」は、多くの場合、他人からの評価を気にする気持ちが源です。しかし、アドラーはこうも述べています。
「他者の課題には踏み込まない」
誰かがあなたをどう思うかは、その人の課題であり、あなたの責任ではありません。
他人の目に映る“強さ”よりも、自分自身が「よく頑張っている」と感じられるかどうかを大切にしていきましょう。
少しずつ「強くなる努力」を習慣に
強くなる努力とは、自分の感情を丁寧に扱い、小さな行動を積み重ねていくこと。たとえば、
- 日記をつけて、気持ちを整理する
- 苦手な人との接し方に工夫をしてみる
- 「できたこと」を自分で褒めてあげる
このような取り組みは、他人から見れば地味かもしれません。
しかし、その積み重ねが、自分の足で立てる強さへとつながっていきます。

まとめ:静かで確かな強さを
見せかけの強さを装うより、静かで地に足のついた強さを育てることが、長い目で見たときに自分を支えてくれる力になります。
失敗しても、落ち込んでも、自分の心を否定せず、ただ少しずつ立ち直る。それが、アドラーのいう「本当の強さ」です。
【Kindle書籍のご案内】
🟨 『繊細すぎる介護職が、折れずに働くための──心を護る20の知恵』Kindle版 好評発売中!
著者:吉泉 晶(Y・あきら)
介護現場でメンタルをすり減らしているあなたに、心を整え、保つためのヒントを20の視点から綴りました。
📘 Amazon Kindleストアで『Y・あきら』と検索、または以下のリンクからどうぞ:
自分を守りながら、誰かを支えるために。
