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2025.10.11ブログ:Yoshiizumiの部屋

人は“理解される”と、安心して変わっていく ~関係がほどける瞬間にあるもの~

聞いてもらうだけで、涙が出る理由

誰かに話を聞いてもらうだけで、心が軽くなる。
それは「言葉を吐き出した」からではなく、「理解された」と感じたからです。
人の脳には“社会的安全システム”と呼ばれる仕組みがあり、
自分の思いが受け止められると、緊張や防衛がスッとゆるむのです。
逆に「間違ってる」「そんなの気にしすぎ」と否定されると、
脳は再び防御モードに入り、心を閉ざしてしまいます。

理解とは、同意ではありません。
「そう思う理由があるんですね」と、存在を認めること。
それだけで、脳も心も安心を取り戻します。

対話とは、“勝ち負け”ではなく“橋をかける”こと

議論や話し合いの場で、つい正しさを求めたくなる。
でも、本当の対話は「どちらが正しいか」ではなく、
「どうしてそう思うのか」を確かめ合うことです。

脳は、相手の言葉が自分の価値観と異なると、すぐに“警戒反応”を起こします。
その瞬間、理解よりも反論のための回路が働く。
だからこそ、「そう感じたんですね」と一呼吸置くことが大切です。
会話の中に“橋”をつくるように、
自分と相手の世界を少しずつ近づけていく――
それが、本当の意味での理解です。

“わかってもらえない”苦しさは、孤独のサイン

「誰もわかってくれない」と感じる瞬間、
人は自分の存在ごと否定されたように思ってしまいます。
けれど、実際には“わかってもらえない”のではなく、
“うまく伝えられないほど、心が疲れている”だけかもしれません。

脳が疲労すると、感情の整理も難しくなり、
相手の言葉を「否定」として受け取ってしまうことがあります。
だから、わかってもらえなかったときは、
「伝え方が下手だった」ではなく、
「それだけ頑張ってきたんだ」と思ってみてください。
理解されたい気持ちは、つながりを求める自然な衝動なのです。

理解は、“変化を促す力”になる

人は、理解されると変わります。
脳の安全システムが働き、自己防衛が解けた瞬間、
人は“次にどうしたいか”を自分で考えられるようになるのです。
つまり、「指導」よりも「理解」の方が、変化を生み出すのです。

たとえば、
「なんでできないの?」ではなく、
「何がうまくいかなかったの?」と尋ねるだけで、
脳の反応は180度変わります。
前者は“責められた”と感じ、防御モードに。
後者は“考えてもいい”と感じ、創造モードに。
人を動かすのは、説得ではなく理解です。

理解する力は、訓練で育つ

理解力は“優しさの才能”ではなく、“観察の習慣”です。
相手の言葉の奥にある意図、表情の変化、沈黙の意味。
それらを「どうしてだろう」と考える癖をつけるだけで、
人との関係は驚くほどスムーズになります。

理解しようとする姿勢は、相手の心に「あなたは敵じゃない」と伝える。
その瞬間、脳は安心し、関係がほどけていきます。
理解とは、相手を変えるためではなく、
一緒に安心して生きるための力なのです。

おわりに

「理解されたい」と願うのは、弱さではなく、
人が人として生きるための自然な欲求です。
そして、自分が誰かを理解しようとすることは、
同時に“自分自身を理解する”ことにもつながります。

誰かの言葉に心を閉ざした日も、
誰かに救われた瞬間も、
すべての出来事が、理解の地図を広げていく。
今日も、あなたの中のやさしさが、誰かをほどく力になりますように。

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