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2025.10.03ブログ:Yoshiizumiの部屋

地図なき人生は徘徊

目的地がわからない。
地図を見ても、どこを目指せばいいのか分からない。
歩いてはみるものの、進んでいるのか戻っているのか、それすら曖昧。

そんな感覚に襲われる人生の瞬間があります。
目標も道筋もあったはずなのに、気づけば「ここはどこ?」「私は誰?」というぼんやりした自問自答に陥る。

それはまるで、“地図を持ったまま泣き出してしまった旅人”のよう。
そして、そのままあてもなく歩き続ける私たちの姿は、まさに「徘徊」とも言えるかもしれません。

でも、だからこそ、この「地図泣き」の時間に向き合う価値があるのです。
今回は、「人生における迷子」について、少し真面目に、少しゆるく、語ってみたいと思います。

地図はあっても、行き先がない

現代は“地図”に溢れた時代です。
SNS、検索サイト、自己啓発本、キャリアプラン、ライフハック……
「どう生きればいいか」「どこへ向かえばいいか」という情報は、むしろ過剰なほどに用意されています。

でも、その情報が多すぎるせいで、かえって自分の目的地が分からなくなってしまう。
どれも正しいように見えて、どれも自分のものではない気がする。
そして、地図を持って立ちすくみ、涙が出る。

これは、今を生きる私たちにとって、すごくリアルな“迷子の姿”ではないでしょうか。

正解を探すほど迷っていく

「どの道を行けば正しいのか」
その問いが強くなればなるほど、私たちは思考をこじらせていきます。

人生には、「絶対的な正解」はありません。
にもかかわらず、「間違いたくない」「後悔したくない」という気持ちが強くなると、選ぶことそのものが怖くなってしまうのです。

地図を睨みすぎて、一歩も踏み出せない。
そんなとき、人は「とりあえず動いてみる」ことができなくなり、気づけば無意識の“徘徊”を始めています。

どこかに答えがあるはずだと信じて彷徨うけれど、結局はどこにも行き着かない——
それが“地図泣き人生”の罠です。

迷っていることを恥じない

「迷っているなんて、だらしない」「何をしたいか分からないなんて、情けない」
そんなふうに、自分を責めてしまう人は多いかもしれません。

でも、**迷いとは“真剣に生きている証”**です。
適当に流されていたら、そもそも迷うことすらありません。
立ち止まっているということは、自分なりに何かを考え、模索している証拠なのです。

「徘徊」という言葉にはネガティブな響きがあるかもしれませんが、
それは単に“目的地を定めない歩行”を指しているにすぎません。
意味は、自分でつけていけばいいのです。

地図を捨ててみる勇気

ときには、地図を手放してみることも必要です。
「こうでなければならない」「この道を通らなければ失敗だ」
そんな“正解ルート”に縛られることが、心の自由を奪っていることもあります。

本当に必要なのは、「今、自分がどこにいるか」を感じること。
それは地図には書かれていない、体感的な気づきです。

道は、自分の足でしか見つけられません。
他人の地図ではなく、自分の足で歩いた経験こそが、本当の“現在地”を教えてくれるのです。

徘徊の中にこそ、人生の余白がある

「目的がない」「無駄に思える時間」
それらはすべて、後から振り返ったときに“意味”に変わることがあります。

迷い、彷徨い、遠回りした経験は、決して無駄ではありません。
むしろ、そうした“余白”の中にこそ、自分という人間の質感や奥行きがにじみ出てくるのです。

最短距離を走った人生が、最良の人生とは限りません。
むしろ、徘徊しながら拾ってきた“道草”が、人生の味になるのです。

まとめ

「地図泣き人生は徘徊」——これは、否定ではありません。
むしろ、誰の人生にも必ず訪れる、大切な時間です。

わからないことに向き合うこと。
先が見えない中でも歩くことをやめないこと。
正解がなくても、自分なりの意味を模索し続けること。

それは、ただの“迷い”ではなく、“生きることそのもの”なのだと思います。

地図が読めなくても、泣いてしまっても、進めば何かが見えるかもしれない。
そして、たどり着いた先で「あの徘徊があったから、今がある」と笑える日が来るかもしれない。

そんなふうに考えることができたら、
地図を落として泣きながら歩く自分すら、少しだけ愛おしく思えるのではないでしょうか。

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