2025.09.27ブログ:Yoshiizumiの部屋
違和感
私たちは、毎日の中でふと立ち止まる瞬間があります。
それはほんの一秒、言葉にならない「何か」を感じたとき——つまり“違和感”です。
この「違和感」という感覚。
じつは、組織運営や事業継続、そして人間関係においても非常に重要なサインであり、
成長や変革のきっかけになるものです。
しかし、多くの人はこの違和感をスルーしてしまう。なぜでしょうか?
ここでは、会社や現場で起こる「違和感」がもたらす意味と、どのようにそれに向き合い、活かすかを紐解いていきます。
それ、本当に「普通」ですか?
「前からこうだから」「これが業界の常識だから」。
こうした言葉で処理される物事の裏に、違和感は潜んでいます。
たとえば、スタッフ間のやりとりに感じる妙な空気感。
介護の現場においても、言葉にしにくい不協和音は、無意識に感じ取られていることが多いのです。
違和感を覚えたなら、それは「自分がおかしい」のではなく、「見直すべきサイン」だと捉えることが重要です。
無意識の思考停止がチームを鈍らせる
「あの人はいつもこうだから」「言ってもムダ」。
こうした“慣れ”による無意識の諦めが、チームの健全な循環を止めます。
違和感を覚えても、口に出せない。
そんな職場文化が続くと、やがては組織全体が鈍感になっていくのです。
組織に必要なのは、「言いにくいことを言える」文化の土壌。
違和感は、ただの不快感ではなく、組織改善のヒントを内包した「情報」でもあるのです。
感性を信じるマネジメント
数値や実績だけでは捉えきれない現象——それこそが現場のリアル。
現場リーダーや経営者には、表面のデータではなく、スタッフの「空気」や「沈黙」にも耳を傾ける感性が求められます。
たとえば、「特に何も問題はない」と言われたときほど、注意が必要です。
その裏に違和感を持ったなら、信じるべきはその感覚。
管理職の“勘”は、鍛えるべき資源なのです。
数字に表れない“ざらつき”にこそ、真の兆しが潜んでいます。
利益と理念のすき間に潜む違和感
経営はシビアです。利益を追求するのは当然のこと。
しかし、理念や想いとのあいだに「ずれ」が生じたとき、その違和感を放置すべきではありません。
介護という仕事は、ときに非効率で、ときに報われにくい。
それでも続ける意味を、経営側が問い直すことを怠れば、スタッフも顧客も離れていきます。
“理念”と“数字”の両輪を、どちらも見失わないためにも、違和感には耳を澄ませるべきなのです。
「気のせい」にしない勇気
違和感は、最初とても小さいものです。
「気のせいだろう」で済ませることも簡単です。
しかし、それを拾い上げ、言語化し、共有する勇気を持った人が、組織の未来を変えていきます。
「なんかモヤモヤする」「なんとなく嫌な感じがする」。
それを口にすることは、決して弱さではなく、成熟した対話のスタートラインです。
経営においても、現場においても、真に強い組織とは「違和感を共有できるチーム」です。
まとめ
「違和感」は、違う感覚——つまり、多様な視点の芽です。
その芽を潰すか、育てるかは、あなた次第。
今、あなたの職場や組織の中で、見過ごされている“違和感”はありませんか?
見つけたなら、どうか「気のせい」にしないでください。
違和感に正直であることが、変革の第一歩なのです。
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