2025.09.16ブログ:Yoshiizumiの部屋
怒鳴っている人の正体を考える
私たちは日常の中で、怒鳴っている人を見かけることがあります。
職場で上司が部下を叱りつけている場面、電車の中で苛立って声を荒げる人、家庭で親が子どもを怒鳴る瞬間。
すると、多くの人は「怖い」「嫌だ」「威圧的だ」と感じ、怒鳴っている人を“加害者”のように見てしまいます。
けれども、少し立ち止まって考えてみたいのです。怒鳴っている人は本当に“強者”なのでしょうか?
実際は、その人の心の中に「弱さ」や「傷つき」が潜んでいることがほとんどです。
怒鳴らなければ伝えられない、怒鳴ることでしか自分を守れない。そうした人こそ、ある意味「被害者」なのです。
怒鳴るという行為の裏側
怒鳴るという行動は、感情のコントロールが効かなくなったときに出ます。
冷静に話せばよいのに、声を張り上げることで自分を大きく見せようとする。
その背景には「不安」や「恐れ」が隠れています。
例えば、上司が部下に怒鳴るとき、その多くは「自分の立場が脅かされている」と感じているからです。
部下のミスで評価が下がるのではないか、成果が出ないことで上層部から責められるのではないか。
そんな恐怖が怒りにすり替わり、声となって爆発してしまう。つまり怒鳴り声は“恐怖の裏返し”なのです。
被害者性を理解する視点
怒鳴っている人を「被害者」だと捉えると、不思議と見方が変わります。
「ああ、この人は今、自分を守るのに必死なんだ」
「この人は傷つきやすく、だからこそ大声を出してしまうんだ」
そう理解できれば、相手を敵視せずに距離を取ることができます。
もちろん、怒鳴られている本人はつらいものです。
ですが、心のどこかに「この人は加害者の皮をかぶった被害者だ」と思えるだけで、自分自身の感情の揺れが和らぐのです。
介護や福祉の現場でも同じです。
利用者さんが職員に怒鳴ることがありますが、それは「不安だから」「認知症で状況が理解できないから」という背景がほとんど。
怒鳴り声を“暴力”とだけ捉えるのではなく、その人の弱さを受け止めることが、支援者に求められる視点です。
職場でできる対応の工夫
怒鳴り声にさらされるのは誰にとっても負担です。そこで大切なのは「巻き込まれない工夫」です。
・声の大きさに対抗しない
・まずは沈黙で受け止める
・状況が落ち着いてから対話する
これらを心がけると、不必要な衝突を避けることができます。
特にリーダーの立場にある人は、怒鳴る人を「指導が足りない」と切り捨てるのではなく、
「背景にある不安は何か?」と探る姿勢が重要です。そうすれば職場全体が安全で落ち着いた雰囲気を保てます。
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まとめ
怒鳴っている人を“加害者”とだけ捉えると、こちらも心がざわつきます。
けれども「被害者」だと考えると、その人の行動を違う角度から理解できます。
怒鳴り声の裏には恐怖や不安が潜んでいる。そのことを知っているだけで、冷静に受け止められるのです。
職場でも家庭でも、怒鳴り声はなくならないかもしれません。
しかし「怒鳴っている人=被害者」と捉える視点を持つことで、自分自身も周囲も守ることができます。
声の大きさに振り回されず、心の奥にある弱さに目を向ける。そこに人間関係を変える大きなヒントがあるのです。

