2025.09.15ブログ:Yoshiizumiの部屋
マウンティングで終了してしまう
マウンティングとは何か
会話が盛り上がりそうなとき、最後の一言で「マウンティング」になってしまうことがあります。
例えば「それ知ってる」「でもね、実はこうなんだよ」と、相手の発言を上書きして自分の優位性を示そうとする一言です。
悪気はなくても、受け取った側には“否定された”印象だけが残ります。
せっかくのコミュニケーションが、勝ち負けの空気に変わってしまう。これがマウンティングの怖さです。
人は無意識に、自分の価値を確かめたくなります。
だからこそ、つい「自分のほうが上だ」と感じられる言葉を投げてしまう。
防衛本能のようなものですが、繰り返されると人間関係をじわじわと蝕みます。
なぜ人はマウンティングしてしまうのか
マウンティングは「劣等感」と「不安」から生まれます。
・相手に負けたくない
・自分が認められていない気がする
・安心したい
こうした感情が、つい言葉になって出てしまうのです。
職場でも家庭でも同じ構造が見られます。
たとえば部下が報告をしたときに、「そんなの当たり前だろ」と返してしまう上司。
あるいは友人の成功談に「でもそれって運が良かっただけだよね」と口走ってしまう人。これらは典型的なマウンティングです。
では、なぜ避けられないのでしょうか。
背景には「自己承認欲求」があります。
本当は自分を認めてほしいのに、それを素直に言えない。
だから相手を下げることで、自分を上げた気持ちになる。ですが、それは一瞬の満足にすぎません。
チームに与える影響
職場にマウンティングが蔓延すると、会議やミーティングは「意見交換」ではなく「腕比べ」になります。
誰が一番知識を持っているか、誰が一番早く答えを出せるか。そんな競争の場になってしまうのです。
本来のゴールは「課題を解決すること」や「新しい視点を持ち寄ること」です。
しかしマウンティングで終わる会話は、相手を黙らせることが目的化します。
その結果、意見は出なくなり、沈黙が増え、チームは疲弊していきます。
介護現場でも同じです。利用者への対応について職員同士が話し合うとき、
「それは間違ってる」「自分のやり方が正しい」と言い合えば、
現場はギスギスします。逆に「なるほど、じゃあこういう工夫はどう?」と問いかけ合えば、文化は育っていきます。
マウンティングの代わりにできること
大事なのは「勝つ会話」から「育つ会話」へシフトすることです。
・問いかけで終える:「あなたならどう考える?」
・一度受け止めてから返す:「なるほどね、じゃあこういう考えもあるよ」
・ユーモアで力を抜く:「そう来たか!じゃあ次は私が笑わせる番だね」
たった一呼吸の違いで、相手の心に残る印象は大きく変わります。
会話は相手をねじ伏せるためのものではなく、お互いを高め合うためのもの。そう意識するだけで、日々の対話は柔らかくなります。
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本とモノ、どちらも「対話を育てるための道具」です。
まとめ
マウンティングで終了する会話は、相手の心を閉ざします。
問いかけで終える会話は、相手の心を開きます。
たしかに「マウンティング」は一瞬気持ちいいかもしれません。
しかし長期的には信頼を削り、チームを弱くします。逆に問いやユーモアで締めることで、文化は強くなっていきます。
だからこそ――
「勝つ会話」より「育つ会話」へ。
これが、あなたのチームを未来につなぐリーダーシップなのです。

