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2025.08.29ブログ:Yoshiizumiの部屋

焦るとポンコツになる──知らない自分に気づく思考術

人は誰しも「焦り」によって判断を誤った経験を持っています。
頭では冷静に対応できるはずなのに、心が急かされると、普段なら簡単にできることさえも空回りしてしまう。
まるで自分が急に“ポンコツ化”したような感覚になる瞬間です。

実はこの「焦りによるポンコツ化」には、脳の仕組みや思考のクセが大きく関係しています。
ここでは、その背景と、どうすれば焦りを力に変えられるのかを整理していきましょう。

焦りはなぜ人をポンコツにするのか

人が焦ったとき、脳はストレス反応を起こします。
その結果、冷静な判断や論理的思考をつかさどる前頭前野の働きが弱まり、感情や衝動が優位になるのです。
つまり「焦る=一時的にIQが下がる」というのは決して比喩ではなく、科学的に裏づけられた現象なのです。

この状態では、普段なら選べるはずの選択肢が見えなくなり、同じ失敗を繰り返すリスクが高まります。
仕事や日常の場面で「どうしてあのとき、あんな判断をしたんだろう」と振り返って落ち込むのは、
このメカニズムが働いていた証拠です。

バイアスが招く失敗の連鎖

焦りの背後には「バイアス(思考の偏り)」が潜んでいます。
人間の脳は効率的に判断するためにショートカットを使いますが、それが偏りを生みます。

たとえば「確証バイアス」。自分の考えを裏づける情報ばかり集め、反対の情報を無視してしまうクセです。
「これは絶対に正しい」と信じて突き進んだ結果、現実とのズレに気づかず大きな失敗につながることがあります。

失敗すれば焦りが生まれ、焦りがさらなる判断ミスを誘発する。
こうして「バイアス → 失敗 → 焦り → さらに失敗」という悪循環が生まれるのです。

忙しい、わからない、知らないがごちゃ混ぜになる

焦りが強まると、人は「忙しい」「わからない」「知らない」を区別できなくなります。
本当は「調べればわかること」を、ただ「忙しいからできない」と思い込んでしまう。
あるいは「そもそも知らないことに気づいていない(不知)」まま進めてしまう。

この混線が、問題解決をより困難にします。
人は「知らないことに気づかない」限り、問題の全体像を把握できません。
そして、自分が何に躓いているのかさえわからないまま立ち止まることになるのです。

問題をバラして考える習慣の大切さ

人間が「ポンコツ化」してしまう大きな理由の一つは、問題を分解せずに抱え込む癖にあります。
難しいことも実際には、いくつかの単純な要素が複雑に絡み合っているに過ぎません。

「どこまでが既知で、どこからが未知か」
「これは自分がわからないだけなのか、それとも誰もが不知の領域なのか」

こうした問いを立てて、問題を小さく分解していくと、解決できる部分と後回しにすべき部分が自然と見えてきます。
逆に、分けて考える習慣がないと、全体が巨大で手に負えない“怪物”のように感じてしまい、余計に焦りを呼ぶのです。

焦りを力に変えるための3ステップ

焦りをゼロにすることはできません。人間である限り、感情に左右される瞬間は必ず訪れます。
大切なのは、焦りを「気づきのサイン」として受け止め、リセットする術を持つことです。

シンプルに使える方法は次の3つです。

  1. 「あ、今焦っている」と自覚する

  2. 深呼吸をして5分だけ立ち止まる

  3. 紙に書き出して問題をバラす

この3つを習慣化するだけで、焦りによるポンコツ化は驚くほど軽減されます。
焦りが訪れたときに「いまは脳が一時的にバカになっているだけ」とユーモアを交えて受け止めれば、むしろ回復が早まります。

まとめ

焦りは誰にでも訪れる自然な感情です。しかし、その影響を理解せずにいると、人は簡単に「ポンコツ化」してしまいます。

  • 焦りは前頭前野を弱め、IQを下げる

  • バイアスは失敗の連鎖を生み、焦りを加速させる

  • 「忙しい・わからない・知らない」の混線は混乱を拡大する

  • 問題を分解する習慣が焦りを整えるカギになる

焦りを「敵」として嫌うのではなく、「サイン」として活用する。そう考えられる人は、失敗から学びを得て成長できる人です。


焦ったときに「自分、今ちょっとポンコツだな」と笑える余裕を持てれば、その瞬間から思考は整いはじめます。
焦りをきっかけに、自分を再発見することができるのです。

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