2025.07.31ブログ:Yoshiizumiの部屋
伝わらないじゃないか、と思ったときに。
たしかに言ったはずだった。
ちゃんと目を見て、言葉を選んで伝えたはずだった。
なのに、伝わっていない。まるで、最初からそんなやりとりなかったかのように。
そんな日がある。
そして、そんなとき、自分の中で何かがふと冷める。
あれだけ時間をかけて考えたのに。
あのときの「うんうん」は、なんだったのか。
信じたかったのにな、って思う。
信じたくて、ちゃんと伝えたのにな、って。
伝えるって、どこまでが「自分の仕事」なのか
相手がどう受け取るかまで、全部コントロールはできない。
それはわかってる。でも、だからって割り切れるほど、こちらも機械じゃない。
“伝える”って、一方的な作業じゃないから。
「ほら、言ったでしょ」で終わる話じゃないから。
声をかけるとき、心を込めた。
届いてほしかったから。
たったひとつでも、明日が変わるような一言になればと思って。
けれど、「伝わらない」という現実がそこにある。
なんでだろう。
もしかして、自分の言い方が悪かったのか?
タイミング? 言葉の選び方? 伝える相手を、間違えた?
そんなふうに、反省と後悔がぐるぐるまわる。
本当に「伝えたかったこと」は何だったのか
もし、言葉そのものが伝わってなくても。
その人を想った「気持ち」が、どこかに染みていたなら。
それでいいんじゃないか──そう思うことがある。
私たちが本当に伝えたかったのは、
「指示」じゃなくて、「関係」だったんじゃないか。
「やり方」じゃなくて、「気にかけている」ということだったんじゃないか。
言葉にしきれないものが、たしかにある。
むしろ、それが本質だったりする。
でも、それをまっすぐ届けるのは難しい。
だからこそ、何度でも、言葉にしてみるしかないんだと思う。
伝えたあと、どう受け止めるか
もしも伝わらなかったなら、
それは「努力が無駄だった」という証明ではなく、
「もう少し、関係を深める余地がある」というサインかもしれない。
何度も説明しないと伝わらない人がいる。
でも、それは「頭が悪い」のではなくて、
ただ、その人なりの“届き方”があるだけ。
同じ言葉で届く人ばかりじゃない。
でも、届き方は変えられる。
伝わらなかったことに落ち込むのは、
それだけ本気だったからだ。
本気で伝えようとして、
うまくいかなかったから、悔しい。
それなら、次は少し違う方法で届けてみよう。
大丈夫。
伝える力は、優しさの変換装置だから。
伝わるって、じわっとにじむものかもしれない
言ったその場では、響かなかったかもしれない。
うなずいていたけど、きっと届いてなかった。
でもね──
三日後にふと思い出されることがある。
数ヶ月たってから、「あのときの言葉が、ずっと残ってた」と言われることがある。
伝わるって、水みたいに染みていくものかもしれない。
即効性はないけど、ゆっくり、確実に、誰かの中に残っていく。
だから焦らないでほしい。
届いていないように見えても、伝わっている最中なのかもしれない。
まとめ
「伝わらないじゃないか」と思ったとき、
それは、あなたが真剣に関わろうとした証。
自分の言葉で、誰かの明日を変えようとした証。
だから、どうか傷つかないで。
そして、あきらめないで。
伝えようとしているあなたの姿こそが、
すでに誰かの心に、届き始めているのだから。
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