2025.10.10ブログ:Yoshiizumiの部屋
忙しさでつぶれそうなあなたへ ~心を守る脳の使い方~
ストレスは「弱さ」ではなく、脳の防衛反応
私たちは、落ち込むことや、涙がこぼれることを「心が弱いから」と思いがちです。
けれど本当は、脳が“あなたを守るため”に働いているのです。
脳は常に「危険から身を守る」ことを最優先にしています。
だからこそ、環境の変化、仕事のプレッシャー、人間関係の揺らぎを感じると、
脳は自動的に“防御モード”に切り替わる。
それが「ストレス」として感じられるだけなのです。
「もう限界かも」と思う瞬間、あなたの脳は、全力であなたを守っています。
だから、まずは責めるよりも、「よく頑張ってるね」と声をかけてあげてください。
忙しさが生む「思考のクセ」
忙しい日々が続くと、脳は効率を優先し、“同じ考え方”を繰り返すようになります。
それは便利な一方で、「どうせ無理」「また怒られる」といった否定的な予測を強めることにもつながります。
いわば、脳が作り出した“思考のショートカット”。
その結果、まだ起きていない未来に怯えたり、過去の失敗を何度も再生したりして、心が休まらない状態が続きます。
思考のクセを変える第一歩は、「いま、どんな反応をしているんだろう?」と気づくこと。
脳のパターンを“観察者の目”で見つめ直すだけで、少しずつ柔らかく変わっていくのです。
感情は「敵」ではなく「サイン」
怒り、不安、焦り――どれも避けたい感情かもしれません。
けれど、それらはあなたを困らせる存在ではなく、「助けて」というサインでもあります。
脳が「いま、危険かもしれない」と感じたときに、身体を守るために起こす自然な反応です。
たとえば、イライラは「大切なものが軽んじられた」ときに生まれる感情。
不安は「この先をもっと安全にしたい」と思う気持ち。
涙は「もう我慢しなくていいよ」という脳のリセット機能。
感情を抑えるのではなく、意味を理解することが、心の回復につながります。
“何もしない時間”が脳を整える
現代人の多くは、「何もしない」ことに罪悪感を持っています。
けれど、脳は常に働き続けている臓器です。
情報処理・判断・記憶――それらを整理し、再構築するには「休息」という時間が欠かせません。
ぼーっとする。
窓の外を眺める。
湯気の上がるコーヒーを見つめる。
そんな“間”の時間こそ、脳にとっての栄養です。
“止まる勇気”が、次の一歩を軽くしてくれます。
自分を責めずに、脳と仲直りを
ストレスを抱える人ほど、責任感が強く、優しい人が多いものです。
だからこそ、自分の弱さを許せずに、つい頑張り続けてしまう。
でも、脳は休ませれば必ず回復します。
思考のリズムを緩め、感情を否定せず受け止め、少しずつ“安心”を積み重ねていけばいいのです。
大切なのは、心を強くすることではなく、脳をしなやかに使うこと。
「どうにかなるよ」と笑える自分に戻るための第一歩は、
自分の脳の仕組みを知ることから始まります。
おわりに
この本は、「もう頑張れない」と感じるすべての人に向けて書かれました。
心が壊れそうなとき、ほんの少し“脳の味方”になってあげるだけで、
思考も、感情も、現実も変わっていきます。
もしあなたが今日、疲れた心でページを閉じたなら、
どうか覚えていてください。
あなたの脳は、ちゃんとあなたを守っている。
だから、もう少しだけ、自分に優しくしてあげてください。
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