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2025.07.08ブログ:Yoshiizumiの部屋

「守る」と「護る」は、ちがう。 ──ケアも仕事も、“言葉の選び方”が関係を変える

感じた違和感が、すべてのはじまり

「守る」と「護る」。
この二つの言葉、どちらも「まもる」と読む。
でも、意味はまるでちがうと感じた日があった。

あの人を“守ろう”としたのに、うまくいかなかった。
でも、“護ろう”としたら、不思議と関係が変わった。

そんな違いを、今日は考えてみたい。

「守る」は、ルールや正しさのためにある

たとえば、「約束を守る」「時間を守る」「国を守る」。
この「守る」は、“外からの侵入や乱れを防ぐ”意味が強い。

つまり、“ルール”や“枠”を維持するための言葉。
守る人は、境界線の前に立ち、何かをブロックする存在だ。

それは、とても大事なことだ。
でも──
ときに、「守る」ことが、人を縛ることにもなり得る。

「護る」は、その人の存在ごと受けとめる

一方で、「護る」はどうか。
「命を護る」「心を護る」「立場を護る」といったように、
“内側にあるものを大切に扱う”感覚がある。

護る人は、相手のそばに立ち、その人の意志や尊厳を包みこむ。
ただ正しさを押しつけるのではなく、
「その人らしさを崩さないために寄り添う」というスタンスだ。

だから、護るという言葉には、信頼や敬意が滲む。

「守ってるつもり」が、関係を遠ざけることもある

現場ではよく、「本人のためにやっている」という言葉を聞く。

でも、その“ために”が「守る」に偏ると、
本人の声がかき消されてしまうことがある。

・転倒が心配だから外出はさせない
・失敗すると危ないから作業には触らせない

これは“守っている”のかもしれないけれど、
同時に、“選ぶ権利”や“自分らしさ”を奪っているかもしれない。

それを「護る」に言い換えると、どうだろう?
同じ場面でも、「どうしたらこの人の意思を護れるか」と考えると、
関わり方がガラッと変わってくる。

言葉ひとつで、関係は変わる

言葉の選び方は、伝わり方を変える。

「守る」から「護る」へ──
ただの言い換えではなく、
そこに込める想いを変えるということだ。

誰かの存在を“囲い込む”のではなく、
“支える”方向にシフトする。
それが、関係を育てる始まりになる。

わたしたちは、日々たくさんの言葉を使っている。
でも、ほんとうに相手のことを思ったとき、
選ぶ言葉も変わってくる。

それが、ケアの現場でも、職場でも、
チームでも、家庭でも、ぜんぶつながっているのだ。

まとめ

言葉は、道具ではない。
その人の価値観や想いを映す“かたち”だ。

「守る」と「護る」、
似ているようで、ぜんぜん違う。

どちらを選ぶかで、
その人との関係が変わることもある。

だから今日、意識してみたい。
言葉を選ぶということは、
誰かの人生に“寄り添いなおす”ことでもあるのだ。

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