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2025.07.03ブログ:Yoshiizumiの部屋

「関心を向ける」という、いちばん小さな贈りもの

私たちは日々、たくさんの情報と出会います。
目に入るもの、耳にする声、触れる手ざわり──
気づかないうちに、世界は私たちに何かを語りかけている。

けれど、気づけるかどうかは「関心」にかかっています。
誰かに関心を向けるということは、
その人の存在に「ちゃんとあなたを見ているよ」と伝える、
とてもささやかで、でも確かな贈りものです。

「見ている」と「気づいている」は違う

たとえば、職場で元気がないスタッフがいたとします。
それに気づける人と、そうでない人がいます。
でも実は、どちらも「見て」はいるんです。
すれ違ったときに視界に入っている、
声が小さいことにはうすうす気づいている。

それでも「何かあった?」と声をかける人は少ない。

この差は、「関心」があるかどうか。
関心がある人は、ちょっとした変化を「意味のあるサイン」として受け取ろうとします。
一方、関心がなければ、それはただのノイズになる。

同じ世界を見ていても、私たちは選び取っている。
そして、その選び方こそが「その人らしさ」になっていくのです。

関心は「才能」ではなく「選択」

ときどき、こんな言葉を耳にします。
「あの人は気が利くよね、私には無理」
「優しい人だからできるんでしょ」

でも、それはちょっと違います。

関心は、才能ではなく「向けることを選ぶ」姿勢から生まれます。
誰かの言葉に耳を傾ける。
その人がよく使う表現や、いつも座る席を覚えておく。
忙しい中でも「ちょっとだけ気にしてみる」。

そんな小さな選択の積み重ねが、関係性を育てていくのです。

関心を向けるというのは、「あなたに意味がある」と示す行為。
それは、言葉で伝えるよりも深く、その人の心に届きます。

介護の現場でも、経営の現場でも

私は介護の世界で働く中で、たくさんの「関心のかたち」に出会ってきました。
ある利用者さまが、無言で天井を見つめていた日。
新人職員が、「なんだか今日は、天井が気になるんでしょうかね」とぽつり。

ただの雑談に聞こえるかもしれませんが、それは立派な“ケア”です。
関心がなければ出てこない言葉だからです。
その一言がきっかけとなり、翌日からその方は毎日「空、晴れてるかな?」と声を出すようになりました。

また、経営の現場でも同じです。
「どうして辞めたのか分からない」という離職者の声に、
「伝えなかったのではなく、関心が払われていなかった」と感じることもあります。

関心を向けられなかったとき、人は「私はいてもいなくても同じなんだ」と思うのです。

逆に、関心を向けられた経験は、人をもう一度、立ち上がらせる力になります。

何かを変える前に、まず向きなおる

もし、職場でうまくいかないことがあるなら、
「関心の流れ」を見なおしてみるのがおすすめです。

「誰が誰に関心を持っているか?」
「無関心になってしまっている関係はないか?」
「関心が偏っていることで、孤立している人はいないか?」

この問いかけは、売上や業務効率の話よりもずっと、
組織の根っこにある“人のつながり”を揺り動かします。

関心を向けるという行為は、
“すぐに成果は出ないけれど、確実に土を耕す行為”です。

まるで、目に見えない種を育てるように。
この感覚を、大切にしていきたいと思います。

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まとめ

「関心を向ける」という行為は、
声をかけるよりも前に、相手の存在を受け取る“はじまり”です。

職場でも家庭でも、経営でも福祉でも──
関心は、人と人のあいだに静かに根を張っていく。

あなたの今日の“まなざし”が、
誰かの明日を少しだけ変えるかもしれません。

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