2025.07.01ブログ:Yoshiizumiの部屋
自分を変える勇気は、他人との関係から始まる──アドラー心理学に学ぶ “働く” の再定義
「人は変われる」──その前提に立ち続けたのが、アルフレッド・アドラーだ。
『嫌われる勇気』で一気にその名が広まり、自己啓発書の定番のように扱われがちだが、
アドラーが本当に伝えたかったのは、「自立」と「他者貢献」のバランスだった。
私たちは、ひとりで生きているようでいて、
常に誰かとの関係性の中で動いている。働くということも、まさにその最たるものだろう。
では、アドラー的に言えば、”働く” とはどんな意味を持つのか?
働くとは、「他者貢献」である
アドラー心理学の根幹には、「人は所属感を得ることで勇気を持てる」という考え方がある。
つまり、人は誰かの役に立っている、誰かに必要とされていると実感することで、自分の価値を感じることができるのだ。
働くことがしんどい、出社したくない、
タスクに意味を見いだせない──そんなときこそ、自分が「誰のために何をしているのか」を見直すチャンスでもある。
もし、いまの仕事に貢献感が見いだせないなら、それは “やる気” の問題ではない。
“意味づけ” の問題だ。
自分の課題と、他人の課題を分けてみる
アドラーは「課題の分離」を強調した。
つまり、自分の責任と他人の責任を切り分けることで、
余計なプレッシャーから解放され、より主体的に生きることができるという。
たとえば、同僚がサボっているのが気になるとき。上司の評価が怖くて言いたいことが言えないとき。
こうした場面では「それは誰の課題なのか?」と自問してみる。
働くうえでのストレスの多くは、じつは “自分では変えられない領域” にエネルギーを使いすぎているからだ。
逆にいえば、自分が「できること」に集中するだけで、驚くほど心が軽くなる。
他人の評価より、自分の選択に意味を持たせる
アドラーは言う。
「他人の期待を満たすために生きてはいけない」
評価されるために働くのではなく、自分が選んだ行動に納得できるかどうか。
たとえ地味な作業でも、自分で意味を見いだせたなら、それは”貢献”になる。
逆に、どれだけ褒められても、自分が納得していない仕事は心を削っていく。
“自分の選択に責任を持つ” という勇気こそ、アドラーが本当に求めたものだった。
まとめ|自分を変えるとは、「関係の持ち方」を変えること
「自分を変える」とは、なにも性格を変えることではない。
ものの見方を変えること。 他人との関係性を変えること。 そして、自分の人生に“納得”を増やすこと。
アドラー心理学は、
働くことを「自己実現のための手段」ではなく、「共同体への貢献を通して自分を活かすプロセス」として捉えている。
働くことに迷ったときこそ、アドラーの言葉を思い出してみてほしい。
『人間のすべての悩みは、対人関係の悩みである』──その悩みの先には、必ず希望がある。

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