伝えたつもりになっていませんか？

現場でよくある悩みの一つに、「何度注意しても直らない」「言ってもすぐ忘れてしまう」という声があります。

でも、まず考えたいのは、「伝えたこと」と「伝わったこと」の違いです。

「もっと丁寧にしてね」と言っただけで、相手は具体的に何をどう改善すればいいのか分からないままかもしれません。

だからこそ、丁寧に、具体的に、繰り返し伝えることが必要です。
そしてその伝え方も、「怒る」や「責める」ではなく、「一緒に確認していこう」という視点が求められます。

相手が変わらないとき、チームが変われるか

人はそう簡単には変わりません。習慣は根深く、その背景には個人の不安や過去の経験もあるかもしれません。

そんなときこそ、チームとしての対応力が問われます。

• 視覚的なフォロー（色分け・目印など）を工夫する
• リーダーが見守り役を担い、後方支援を明確にする
• 全体に向けた「学びの共有」の機会を設ける
• 小さな変化や改善に気づき、言葉にして称える

個人を責めるのではなく、「チームでどう支えるか」という観点で関わる。
それが、現場の空気をあたたかく変えていくきっかけになります。

注意が「ケア」に変わる瞬間

注意とは、ただルールを守らせる行為ではありません。

それが本当の意味で届いたとき、「自分のことを気にかけてもらっている」と感じられるケアになります。

たとえば、ミスを繰り返す人に対して、「なんでできないの？」ではなく、
「最近、何かあった？元気ないように見えて」と声をかける。

すると、本人の中にあった不安や心配事が少しずつほぐれ、「もう少し頑張ってみよう」と思えるきっかけになることもあります。

伝えることは、力づくではなく、寄り添う技術なのです。

正しさより、信頼関係

「間違っているから指摘する」。それだけでは人は動きません。

• 普段から声をかけているか？
• ちょっとしたことを「ありがとう」と言えているか？
• ミスを責めず、リカバリーに付き添っているか？

小さなコミュニケーションの積み重ねが、信頼を育みます。

信頼があるからこそ、「この人の言うことなら聞いてみよう」と思える。

つまり、注意が効果を持つかどうかは、日頃の関係づくりにかかっています。

変わらない人が、チームを育てる

「変わらない人」に出会ったとき、つい「もう無理かも」と思ってしまいがちです。

でも、そこであきらめずに、「どうしたら支えられるだろう？」と考え続けること。

そのプロセスこそが、実はチーム全体の“伝える力”や“支える力”を磨いていくのです。

誰かが困っているとき、黙ってスルーするのではなく、手を差し伸べられるチーム。

そんな風土が育てば、自然と「変化」が生まれる土壌ができます。

まとめ：変わらないことには、意味がある

変わらない人がいるから、チームは悩み、考え、そして成長します。

だからこそ、その存在を否定するのではなく、「一緒に働く」という土台のもとで支える視点を持ち続けること。

伝えるとは、心を届けること。

変化を強要するのではなく、「一緒によりよくなっていこう」と願いながら、今日も声をかけ続ける。そんな現場でありたいと思います。

あきらが現場から得た気づきや問いを、日々、Kindle書籍として発信しています。

『心が動く場所を耕す』『頑張らないって、戦略です。』など、 読後に「わかる…」と小さく息をつけるような本を揃えています。

▶ 著者ページ（Kindle 書籍一覧）： https://www.amazon.co.jp/stores/author/B0F8N5P41F/allbooks

また、「猫×金魚×哲学」をコンセプトにしたSUZURIグッズも展開中。 日々の問いを、ステッカーやTシャツで持ち歩けるようにしています。

▶ AkiraNekoStudio（SUZURI）： https://suzuri.jp/Akira602/products

あなたの「伝える仕事」に、そっと寄り添えたら嬉しいです。