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2025.04.02ブログ:Yoshiizumiの部屋

だからいったでしょ、は凶器

「だから言ったでしょ」

この言葉を聞いたとき、心の奥がスッと冷えるような、あるいはバチッと殴られたような気持ちになったことはないだろうか。

「ミスしたのはあなただよね」 「私の言った通りにしておけばよかったのに」 「わたしは、間違ってなかった」

――そんな“無言のメッセージ”が、この6文字には詰まっている。

誰かを守る言葉ではない。
それは、ほとんどの場合、誰かを「突き放す」言葉になってしまう。

相手の痛みに、もう一撃加えてどうするの?

何かをミスしたり、結果が思わしくなかったとき。
本人が一番、痛みや悔しさを感じていることが多い。

そんなときに「だから言ったでしょ」と言われたら、どう感じるか。
頭では反省していても、心は閉じてしまう。

言われた瞬間、相手は“自分の過ち”ではなく、“あなたの言い方”に心を向けるようになる。
そして、その後の言葉は、もう届かなくなる。

これは、注意や指導とは違う次元の話だ。
信頼を育てるために必要なのは、「正しさの主張」ではなく、「支える覚悟」だ。

伝えるべきは、「次にどうするか」

本当に必要なのは、“正しさの証明”じゃなく、“未来への提案”だ。

「同じことを繰り返さないために、どう動こうか?」
「次は、こういうやり方があるよ」
「今回はうまくいかなかったけど、ここから挽回できるから一緒に考えよう」

こんなふうに、未来に目線を向けさせる言葉こそ、チームや職場では必要とされている。

反省を促すのではなく、信頼と成長の機会に変えること。
それが、「チームを率いる立場」にある人間の、本当の力だ。

じゃあ、言いたくなったときはどうするの?

「だから言ったでしょ」――言いたくなる瞬間は、ある。
自分の意見が通らなかった。予想していたミスが起きた。
そんなとき、人は「自分の感情」を吐き出したくなる。

でも、ここで一度だけ深呼吸してみてほしい。

感情をぶつけることと、相手を導くことは別物だ。
言いたいことは一度、心のなかで翻訳してみる。

・「私もすごく悔しい」
・「こうなると思ってたからこそ、心配だった」
・「これ、次に活かすチャンスにしよう」

そうやって言葉を選ぶ習慣が、結果的に“信頼される人”をつくる。

「正論」が人を救うとは限らない

「私は悪くない」 「先にアドバイスしてたのに聞いてくれなかった」

たしかに、その通りかもしれない。
でも、それを伝えることで、相手の心は前向きになるだろうか。

大切なのは、“正しさ”を伝えることではなく、
“ともに進める関係性”を築くことだ。

その言葉は、相手を突き放すためのものか?
それとも、支えるためのものか?

言葉には、力がある。
だからこそ、その力の“使い方”を、もっと丁寧に選びたい。

まとめ:わたしたちは、過去よりも「いま」と「これから」を生きている

「だから言ったでしょ」
その一言を飲み込んで、
代わりに「次はどうしようか?」と声をかけてみる。

きっとその言葉は、
相手を責めるのではなく、支えることになる。

わたしたちは、いつだって「いま」からやり直せる。
未来のために言葉を選ぶ人が増えたとき、
その場は、組織は、もっと強く、やさしくなれる。

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